スペインのクリスマスは、日本とは少し異なる独自の過ごし方が特徴です。12月24日から年始まで、スペインでは家族や友人と集まり、伝統的な行事や食べ物を楽しむのが一般的です。特に、スペインならではの「ベレン」と呼ばれる降誕シーンの飾り付けや、クリスマスイブの豪華なディナー「セナ・デ・ナヴィダ」などは欠かせません。また、スペインのクリスマスにはトゥロンやポルボロンなどの特別な食べ物が並び、地域ごとに少しずつ異なる風習が楽しめるのも魅力の一つです。本記事では、スペインのクリスマス過ごし方やおすすめの食べ物、イベントについて詳しく紹介します。

スペインでのクリスマスの過ごし方と楽しみ方

スペインのクリスマスの伝統行事

スペインのクリスマスは、地域によって独自の伝統やイベントが存在する、特別な季節です。キリスト教文化が根付くスペインでは、クリスマスシーズンが大変重要視され、各地で様々な行事が行われます。ここでは、代表的な伝統行事を紹介します。

まず、スペインでは12月24日の夜、クリスマスイブに「ミサ・デル・ガジョ」と呼ばれる深夜ミサが行われます。このミサはカトリック信仰を尊重する多くのスペイン人にとって、クリスマスの象徴的な行事です。特に厳かな雰囲気の中、家族そろって教会に訪れ、イエス・キリストの降誕を祝います。この夜のミサに参加することは、スペイン人にとって重要な習慣であり、信仰心を再確認する機会とも言えます。

また、スペインではベレン（キリストの降誕を描いたジオラマ）を家庭や教会、公共の場に飾る習慣も見られます。ベレンにはイエス、マリア、ヨセフの他、様々な登場人物や動物のフィギュアが配置され、精巧に作られたものも多くあります。特に、南部のアンダルシア地方や首都マドリードでは、ベレンの展示が盛大に行われ、観光客にも人気があります。

さらに、12月28日の「ディア・デ・ロス・イノセンテス（無垢な人々の日）」には、いたずらやジョークを楽しむ習慣があります。この日はスペイン版エイプリルフールとも言え、新聞やテレビなどでもユーモラスな嘘のニュースが流れ、家族や友人同士で笑いを共有する日として親しまれています。

そして、新年を迎える直前の12月31日には、「ウヴァ・デ・ラ・スエルテ（幸運のブドウ）」という伝統があります。大晦日には12回の鐘の音に合わせて一粒ずつブドウを食べ、幸運を祈願するというものです。これはスペイン全土で広く行われる習慣で、ブドウを12粒食べることで、新年の12カ月すべてに幸運が訪れると信じられています。

このように、スペインのクリスマスは、宗教的な行事から家族や友人と楽しむイベントまで、様々な伝統行事が盛り込まれた特別な時期です。

家族と過ごすスペインのクリスマスの特徴

スペインのクリスマスは家族との時間を何よりも大切にするのが特徴で、多くの人が家族の絆を深めるためにこの季節を心待ちにしています。特に12月24日のクリスマスイブから新年までの期間は、親戚一同が集まり、伝統的なイベントや食事をともにして過ごします。

まず、スペインではクリスマスイブの夜、「セナ・デ・ナヴィダ」と呼ばれるクリスマスディナーが行われます。このディナーは、豪華で豊かな食事を家族全員で囲むもので、普段遠方に住んでいる家族もこの日のために帰省することが一般的です。家庭料理が中心ですが、ローストラムやシーフードなどが並び、デザートにはスペイン特有のトゥロン（アーモンドのヌガー菓子）やポルボロン（粉砂糖をまぶしたクッキー）が登場します。このディナーは夜遅くまで続き、家族全員で楽しいひとときを過ごすことが重視されます。

また、スペインではクリスマスギフトの交換が元旦ではなく1月6日の「エル・ディア・デ・ロス・レジェス（東方の三賢者の日）」に行われるため、クリスマス当日に家族全員でギフトを交換することはあまりありません。その代わりに、子どもたちはこの三賢者の日を待ちわびながら、クリスマス期間を家族とともに過ごし、家族団らんの時間を楽しむことが多いです。

さらに、スペインの多くの家庭では、家族全員で協力してベレン（降誕シーンのジオラマ）を飾るのも楽しみのひとつです。自宅にベレンを飾ることで、家族でクリスマスの伝統や宗教的な意義について話し合う機会を持つことができ、特に小さな子どもたちにとっては重要な教育の一環にもなっています。

こうした家族と過ごす時間を大切にすることが、スペインのクリスマスの特徴であり、この期間を通じて家族の絆がより一層強まると言えるでしょう。

スペインで人気のクリスマスの過ごし方

スペインではクリスマスシーズンを家族や友人と一緒に楽しむことが重視されており、観光や文化体験、食事などを含めた多様な過ごし方が人気です。ここでは、スペインで人気のあるクリスマスの過ごし方をいくつか紹介します。

まず、スペイン各地ではクリスマスマーケットが開かれ、これを訪れることは大変人気があります。特にバルセロナの「フィラ・デ・サンタ・ルシア」やマドリードの「プラサ・マヨールのクリスマスマーケット」は、スペイン国内でも有名で、毎年多くの人々が訪れます。マーケットでは、クリスマス飾りや手作りの小物、ベレン用のフィギュアなどが販売され、買い物を楽しむとともに、クリスマスの雰囲気を存分に味わうことができます。観光客にも人気が高く、特に夜のイルミネーションがマーケットを彩り、クリスマスムードを引き立てます。

また、スペイン人は友人と集まってクリスマスディナーやパーティーを開くことも多いです。特にクリスマス前の週末には、友人同士や会社の同僚と集まる「クリスマス会（シーナ・デ・エンプレサ）」が開かれ、レストランや自宅で食事を楽しみます。このようなパーティーでは、伝統的な料理やワインを囲み、カラオケやダンスで盛り上がることが一般的です。スペインでは社交的な性格の人が多いため、このような集まりが非常に活発で、家族以外の人とも楽しい時間を共有することが多いのです。

さらに、スペインのクリスマスシーズンの特別なイベントとして、12月22日に行われる「エル・ゴルド（クリスマス宝くじ）」の抽選も非常に人気です。この宝くじは、スペイン全土で販売され、多くの人が購入する伝統的なものです。エル・ゴルドの抽選会はテレビで中継され、当選を願いながら家族や友人と一緒に観るのが恒例となっています。もし当選すれば、その年のクリスマスはさらに特別なものになるでしょう。

このように、スペインのクリスマスシーズンは、家族や友人と一緒に楽しむイベントが充実しており、さまざまな形でクリスマスの喜びを分かち合うことが人気の過ごし方です。

街中で見られるスペインのクリスマス風景

スペインのクリスマスシーズンには、街中が華やかな装飾と明るいイルミネーションで彩られ、特別な雰囲気に包まれます。スペイン各地の都市や町は、11月下旬から12月初めにかけてクリスマスの飾り付けを行い、多くの人がこの時期の街歩きを楽しみにしています。特に夜になると、きらびやかなイルミネーションが街路や広場を美しく照らし、クリスマスらしいムードを盛り上げます。

スペインの大都市では、通りや建物が豪華に装飾されることが多く、バルセロナやマドリードなどの主要都市ではクリスマスシーズンを象徴するような光景が広がります。例えば、マドリードの「グランビア通り」や「プエルタ・デル・ソル広場」には、大規模なイルミネーションが設置され、多くの人が訪れ写真を撮るスポットとして人気です。また、都市によっては巨大なクリスマスツリーが広場に登場し、その周りには人々が集い、家族や友人との思い出を作る場となっています。

さらに、スペイン独自のクリスマス風景として、「ベレン（降誕シーンのジオラマ）」が各地に設置されることも特徴的です。スペインでは、教会や広場、市役所などにベレンが飾られ、イエス・キリストの誕生シーンがジオラマとして再現されています。地域によっては、ベレンの展示に工夫を凝らし、ミニチュアの人形や建物、動物などが細かく作り込まれており、まるで物語を見ているかのような楽しさがあります。特にアンダルシア地方のベレンは豪華で、多くの観光客が見物に訪れるほどです。

また、クリスマスの期間中にはストリートミュージシャンが増え、スペイン伝統のクリスマスソング「ビジャンシーコ」を演奏する場面も見られます。楽器とともに歌われるこれらの歌は、街を行き交う人々にクリスマスの喜びと温かさを届けてくれます。このような音楽の演出が加わることで、スペインのクリスマスの街並みはさらに特別なものとなります。

このように、スペインの街中ではクリスマスシーズンならではの景色やイベントが数多く見られ、観光客にとってもスペインの文化や風習を感じられる魅力的な時間となっています。

スペインのクリスマスの飾り付けと装飾

スペインのクリスマスシーズンには、街や家庭でさまざまな飾り付けや装飾が施され、特別な雰囲気を楽しむことができます。スペインならではの装飾スタイルやアイテムには、伝統的な要素と現代的なデザインが融合しており、華やかで温かみのある飾り付けが特徴です。

まず、スペインではクリスマスツリーの飾り付けが一般的ですが、他のヨーロッパ諸国に比べてよりシンプルで、落ち着いたデザインが好まれる傾向にあります。多くの家庭で、ツリーには赤、金、緑などのクラシックな色合いのオーナメントが使用され、イルミネーションで華やかに演出されます。特に、家族が集まって一緒に飾り付けを行うのが伝統で、ツリーを囲みながら家族との時間を楽しむ風景が見られます。

スペインのクリスマス装飾の中でも特に重要な存在が「ベレン」と呼ばれる降誕シーンのジオラマです。多くのスペイン家庭では、クリスマスツリーとともにベレンを飾り、イエス・キリストの誕生シーンを再現します。ベレンには、イエス、マリア、ヨセフの他、羊飼いや動物、天使などの小さな人形が登場し、細部にまでこだわって作られることが多いです。特に大規模なベレンは、教会や市庁舎などの公共施設にも展示され、人々が見物に訪れることが恒例となっています。

さらに、スペインの街並みでは、大通りや広場、商業施設にイルミネーションや装飾が施され、クリスマスのムードを盛り上げます。各都市の目抜き通りには色鮮やかなイルミネーションが設置され、夜になると幻想的な光景が広がります。特にバルセロナやマドリードといった大都市では、毎年テーマが決められたイルミネーションが施され、訪れる人々を楽しませています。これらの装飾は、クリスマスシーズンを通して街の景観を大きく変え、観光客にも人気のスポットとなっています。

このように、スペインでは家庭や街の至るところでクリスマスの飾り付けが施され、伝統的なアイテムから現代的なイルミネーションまで、多彩な装飾でクリスマスの到来を祝います。

スペインのクリスマスの過ごし方と料理の魅力

スペインのクリスマスの食べ物の代表と意味

スペインのクリスマスシーズンには、特別な料理が食卓に並び、それぞれの料理に伝統や意味が込められています。ここでは、スペインのクリスマスで代表的な食べ物とその意味を紹介します。

まず、クリスマスディナーには「ローストラム」が欠かせません。ローストラムは家族が集まるクリスマスの食卓を彩る豪華なメインディッシュとして親しまれています。ラム肉は、古くからスペイン各地で祝いの席に提供されてきた食材で、クリスマスに家族や友人とともに味わうことで、感謝と絆を確認し合う象徴的な料理となっています。

次に、クリスマスのデザートとして欠かせないのが「トゥロン」です。これはアーモンドや蜂蜜、卵白などで作られるヌガーで、スペインの各家庭で親しまれています。トゥロンには「柔らかいもの」と「固いもの」の2種類があり、地域や家庭の好みによって異なる味わいが楽しめます。トゥロンの起源はスペインの伝統的なお菓子とされていますが、クリスマスに食べることで幸運や繁栄が訪れると信じられ、年末のシーズンには多くの家庭でトゥロンが登場します。

さらに、クリスマス期間中には「ポルボロン」という伝統的なクッキーも人気です。ポルボロンは口に入れるとほろりと崩れる柔らかな食感が特徴で、「幸運」を象徴するお菓子とされています。食べる際に「ポルボロン」と唱えると、幸運が訪れるというユニークな習慣があるため、家族や友人と一緒に楽しむことが多いです。このお菓子もスペインならではのもので、クリスマスの時期になるとどの家庭にも並びます。

また、クリスマスに合わせて提供される「マサパン」も忘れてはならない一品です。マサパンはアーモンドペーストで作られた甘いお菓子で、歴史的には祝祭や宗教的な行事で供えられてきた食べ物です。マサパンはクリスマスだけでなくスペインの多くの祝日に登場することが多く、その甘さが人々に安らぎと喜びをもたらすとされています。

このように、スペインのクリスマスの食べ物にはそれぞれ意味が込められており、食を通じて幸運や家族の結びつきを願う風習が根付いています。

ナバイダの料理：スペインのクリスマスディナー

スペインのクリスマスディナー「ナバイダ」は、家族や友人が集まり、特別な料理を囲む重要な行事です。ナバイダのディナーは、豊富で豪華な料理が並び、特別な季節を祝いながら家族の絆を深める時間として大切にされています。スペイン各地で異なる料理が登場しますが、ここでは代表的なメニューをいくつか紹介します。

まず、メインディッシュには「ローストラム」や「ローストチキン」がよく選ばれます。ラムやチキンは祝いの席で食べられる伝統的な料理で、シンプルにオーブンで焼いたり、ハーブやにんにくで風味を加えたりして提供されます。これらの料理は、その豪華さだけでなく、クリスマスの温かい家族団らんを象徴するものでもあります。

シーフードもナバイダの食卓に欠かせません。特に「ガンバス・ア・ラ・プランチャ（焼きエビ）」や「マリスコス（シーフードプレート）」などが人気です。スペインは海に面した地域が多く、新鮮なシーフードが豊富に手に入るため、クリスマスにはエビ、カニ、ムール貝などの海の幸が並ぶことが一般的です。シーフードはお祝いの席にふさわしい贅沢な料理とされており、家族が一緒に食べることで、幸福と繁栄を願います。

また、前菜として登場することが多いのが「ハモン・イベリコ（イベリコ豚の生ハム）」です。スペインの誇りであるイベリコ豚の生ハムは、ナバイダのディナーを豪華にする一品で、濃厚な風味が特長です。ハモンはスペイン全土で人気が高く、クリスマスの特別な食卓には欠かせない存在です。前菜としてサーブされることで、食事の最初から贅沢な気分を味わうことができます。

デザートには、スペイン伝統の「トゥロン（アーモンドヌガー）」や「ポルボロン（粉砂糖をまぶしたクッキー）」が登場します。トゥロンはスペインのクリスマスには欠かせないお菓子で、家族みんなで味わいながら、祝祭ムードをさらに高めます。ポルボロンは「ポルボロン」と口に出しながら食べると幸運が訪れるという言い伝えもあり、クリスマスならではの楽しみとして親しまれています。

ナバイダの料理は、スペインの豊かな食文化を感じさせるだけでなく、家族や友人との絆を深める役割を果たします。クリスマスのディナーは、食事を通じて幸福と喜びを分かち合う大切な時間となっているのです。

スペインのクリスマスで食べる伝統的なデザート

スペインのクリスマスシーズンには、特別な意味を持つ伝統的なデザートが食卓を彩ります。家族や友人が集まる祝祭の場で、これらのデザートを楽しむことはスペイン人にとって重要な習慣です。

まず、「トゥロン」はスペインのクリスマスを象徴するデザートの一つです。アーモンド、蜂蜜、卵白を使ったヌガーで、「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」の二種類があり、地域や家庭の好みによって選ばれます。ハードタイプはアリカンテ地方が有名で、アーモンドがぎっしり詰まっていて歯ごたえが楽しめます。一方、ソフトタイプはジジョナ地方発祥で、しっとりとした口当たりが特長です。トゥロンは「繁栄」や「幸福」のシンボルとして知られ、家族みんなで分け合いながら、幸運を願います。

次に、「ポルボロン」という伝統的なクッキーも、クリスマスには欠かせません。ポルボロンはバターやアーモンド粉で作られた柔らかいクッキーで、食べる際に「ポルボロン」と唱えると幸運が訪れると言われています。この風習は子どもたちにも人気で、家族や友人とともに楽しむデザートの一つです。口の中でほろっと崩れる食感が特徴で、そのまろやかな甘さは誰からも愛される味わいです。

さらに、「マサパン」もスペインのクリスマスデザートとして広く知られています。アーモンドと砂糖を練り上げて作られるマサパンは、スペイン全土で食べられる甘いお菓子で、形やデザインがさまざまです。特にトレド地方では伝統的なマサパンが有名で、さまざまな動物や星の形に成形されたものが作られ、子どもたちにも喜ばれています。マサパンはクリスマスの家族団らんに華を添えるデザートとして、毎年多くの家庭で作られています。

このように、スペインのクリスマスデザートには、それぞれの地域の伝統や家族の絆を祝う意味が込められており、味わいながらクリスマスの季節を実感することができます。

クリスマスに欠かせないスペインの飲み物

スペインのクリスマスシーズンには、特別な飲み物が登場し、家族や友人との団らんをさらに華やかに彩ります。ここでは、クリスマスに欠かせないスペインの代表的な飲み物を紹介します。

まず、スペインのクリスマスで特に愛されている飲み物に「カバ」があります。カバはスペイン産のスパークリングワインで、カタルーニャ地方を中心に生産され、シャンパンに似た味わいと豊かな泡立ちが特徴です。クリスマスディナーや年末年始の乾杯には欠かせない存在で、家族や友人とともに新年の幸運を祈ってグラスを交わします。カバには白とロゼの種類があり、料理に合わせて選ぶことができるため、食卓を華やかにする演出にも最適です。

また、クリスマスシーズンになると「キンタ」という甘いホットドリンクも人気が高まります。キンタは赤ワインをベースに、シナモンやクローブ、レモンなどのスパイスを加えて温めた飲み物で、寒い冬の夜にぴったりです。香り豊かでリラックス効果があり、特に夜の団らん時に家族で楽しむことが多いです。このドリンクは体を温めると同時に、クリスマスの雰囲気を一層引き立ててくれます。

さらに、「オルチャータ」と呼ばれる甘くて濃厚な飲み物もクリスマスの人気アイテムです。オルチャータは通常、バレンシア地方でよく飲まれている飲み物で、タイガーナッツ（チュファ）から作られています。夏に冷たいオルチャータを楽しむことが一般的ですが、クリスマスシーズンには温かいバージョンも登場し、デザートや軽食とともに楽しむことができます。特に子どもたちや甘いものが好きな人々に人気です。

そして、スペインのクリスマスには「アニス」と呼ばれるアニス酒もよく登場します。アニスはアニスシードの香りが特徴的なリキュールで、少し強めのアルコールが含まれています。食後にリラックスして楽しむためのドリンクとして親しまれており、特に家族や友人との会話が弾むひとときにぴったりです。アニス酒は独特の甘みと風味があり、他の飲み物にはないクリスマスらしい特別な味わいとして楽しまれています。

このように、スペインのクリスマスシーズンには、多彩な飲み物がテーブルを彩り、家族や友人との団らんをより特別なものにします。それぞれの飲み物には季節感や温もりが詰まっており、スペインらしい豊かなクリスマスの過ごし方を体験できます。

スペイン流の年越しと新年の迎え方

スペインでは年越しと新年の迎え方に独特の習慣があり、家族や友人と楽しく過ごしながら新年の幸運を祈ります。スペインの年越しには「ウヴァ・デ・ラ・スエルテ（幸運のブドウ）」という風習が欠かせません。これは、大晦日の夜に12回の鐘の音とともに12粒のブドウを食べ、1月から12月までの各月に幸運が訪れるように願うというものです。この風習はスペイン全国に広がっており、特に家族と一緒に過ごす大切な行事とされています。

スペインの家庭では、大晦日に「ナビダ」のディナーを楽しんだ後、家族が集まってテレビで年越しカウントダウンの中継を見ながら、鐘の音に合わせてブドウを食べます。特に首都マドリードの「プエルタ・デル・ソル広場」からのカウントダウンが有名で、全国放送されるため、多くの家庭がこの映像を見ながら年越しを迎えます。鐘の音に合わせてブドウを食べるのは思った以上に難しく、ユーモラスな場面が見られることもあり、家族で楽しいひとときを過ごすきっかけにもなります。

また、スペインでは年越しに赤い下着を着用する習慣もあります。赤色は「愛」や「幸福」を象徴するとされており、大晦日に赤い下着を身に着けることで新年に幸運が訪れると信じられています。この風習は特に若者の間で人気があり、新年を迎えるための楽しいおまじないのような存在です。赤い下着は友人や家族へのクリスマスプレゼントとして贈られることも多く、年末のスペインならではの光景と言えるでしょう。

新年を迎えた後、スペインでは伝統的に「チュロスとホットチョコレート」を楽しむ習慣があります。年越しイベントやパーティーの後にチュロスを食べながらホットチョコレートを飲むことで、新年を迎えた喜びを一層味わうことができます。特にマドリードやバルセロナなどの都市では、年始の朝にチュロス専門店が混雑するほど、多くの人々がこの伝統を楽しんでいます。

このように、スペインの年越しと新年の迎え方には、幸運を祈るための楽しい習慣が数多くあり、家族や友人と共に新年の希望を分かち合うことがスペイン流の新年の迎え方となっています。

観光客にもおすすめのクリスマスイベント

スペインのクリスマスシーズンには、観光客も楽しめる様々なイベントが開催され、スペインならではの伝統や文化を体験できます。特に大都市を中心に行われるイベントは観光客にとっても訪れる価値があり、スペイン独自のクリスマスの雰囲気を味わうことができます。

まずおすすめなのが、各地で開催される「クリスマスマーケット」です。バルセロナの「フィラ・デ・サンタ・ルシア」やマドリードの「プラサ・マヨールのクリスマスマーケット」はスペインで最も有名で、地元の工芸品、クリスマス飾り、伝統菓子などが揃います。マーケットではベレン（キリスト降誕のジオラマ）のフィギュアやクリスマスツリーの飾りを手に入れることができ、観光客にも人気です。夕方から夜にかけてはイルミネーションが点灯し、幻想的な雰囲気を楽しめます。

さらに、マドリードの「プエルタ・デル・ソル広場」で行われる年末のカウントダウンイベントも見逃せません。この広場はスペイン全土のカウントダウンの中心地となり、毎年多くの人が集まり、新年の到来を祝います。観光客も参加しやすく、伝統の12粒のブドウを食べる風習を体験する絶好の機会です。ライブ音楽や花火も催され、スペイン流の年越しを体験できるため、初めてスペインを訪れる観光客にもおすすめです。

また、アンダルシア地方では、「パストレラ（羊飼いの劇）」と呼ばれる伝統的なクリスマス劇が上演されます。この劇はキリストの誕生を祝うもので、地域ごとに異なる演出や衣装で親しまれています。アンダルシアの村や町で行われるこの劇は、観光客にも楽しんでもらうことができ、地元の文化や人々の温かさを感じられるイベントです。

クリスマス後の1月5日には、スペイン全土で「東方の三賢者（レジェス・マゴス）のパレード」が行われます。これはクリスマスシーズンを締めくくる一大イベントで、スペイン各地で賑やかなパレードが繰り広げられます。三賢者役の人物が町を練り歩き、子どもたちにお菓子を配る様子は、観光客にとっても特別な光景です。特にバルセロナやセビリアのパレードは規模が大きく、家族連れや観光客に人気です。

このように、スペインのクリスマスシーズンには観光客が参加できるイベントが数多くあります。訪れる時期によっても異なる体験ができるため、スペインならではのクリスマスの文化と温かい雰囲気を感じながら、特別なひとときを過ごすことができます。

スペインでのクリスマスショッピングスポット

スペインでのクリスマスシーズンはショッピングを楽しむのに最適な時期で、観光客にも人気のショッピングスポットが各地にあります。この時期のスペインのショッピングエリアは、クリスマスの飾りやイルミネーションで彩られ、特別な雰囲気の中で買い物を楽しむことができます。

まず、マドリードの「グランビア通り」はスペイン最大のショッピングストリートのひとつで、クリスマスシーズンには華やかなイルミネーションで飾られ、観光客にとっても見逃せないスポットです。グランビア通りにはスペインのファッションブランドや人気ショップが集まっており、クリスマスギフトを探すのに最適な場所です。また、近くの「プエルタ・デル・ソル広場」には大きなクリスマスマーケットも立ち並び、手作りの装飾品やスペインの伝統菓子を購入できます。ここではショッピングとともに、クリスマスらしい光景も楽しめます。

バルセロナでは、「パセオ・デ・グラシア通り」がクリスマスシーズンのショッピングにおすすめです。バルセロナの中心的なショッピングエリアで、ルイ・ヴィトンやプラダなどの高級ブランドからスペイン国内ブランドまで、多彩な店舗が軒を連ねています。特にクリスマスシーズンには、各店舗のディスプレイもクリスマス仕様に変わり、ウィンドウショッピングだけでも楽しめる通りです。また、「フィラ・デ・サンタ・ルシア」という伝統的なクリスマスマーケットもバルセロナのカテドラル前に開かれ、スペインらしいクリスマスの装飾品や手作り雑貨が豊富に揃っています。

セビリアでは、「シエルペス通り」が人気のショッピングエリアです。シエルペス通りは歴史ある商業街で、クリスマスシーズンになると多くの人で賑わいます。ここには衣類、靴、アクセサリーの店が並び、地元の人々も訪れる伝統的なショッピングエリアとして知られています。また、セビリアでは12月下旬から伝統的なクリスマスマーケットが開催され、アンダルシア地方の職人による手作り品や、家庭で飾る「ベレン（キリスト降誕シーン）」のフィギュアが販売されます。

また、スペインの各地に展開するデパート「エル・コルテ・イングレス」もクリスマスシーズンには一見の価値があります。エル・コルテ・イングレスはスペイン全国に展開する大型デパートで、クリスマスには特別なギフトセットや限定品が登場します。お土産やギフトを探すには最適な場所で、食品売り場ではスペインのクリスマス定番のお菓子も購入可能です。さらに、店舗の外装もクリスマス仕様に装飾され、華やかな雰囲気の中でショッピングが楽しめます。

このように、スペインにはクリスマスシーズンならではのショッピングスポットが数多くあり、観光客にとってもギフトやお土産探しに最適な場所が揃っています。スペインのクリスマスの華やかな雰囲気を感じながら、特別な買い物を楽しむことができるでしょう。

スペインのクリスマスの過ごし方と楽しみ方のポイント