モニターアームの後悔はもうしない！失敗例から学ぶ選び方

モニターアームの導入を考えたものの、購入後に失敗や後悔をしたくないという思いから、情報を探しているのではないでしょうか。快適なデスク環境を夢見て設置したはずが、思い通りにならなかったというケースは少なくありません。この記事では、モニターアームの購入で後悔しないために、よくある失敗パターンとその具体的な解決策を分かりやすく解説します。

モニターアームで後悔？よくある失敗パターン

デスクの厚みや素材が対応していない

モニターアームの多くは、クランプ式という方法でデスクの天板を挟み込んで固定します。このため、デスクの天板がアームの取り付け条件を満たしていないと、設置自体ができません。

例えば、天板が薄すぎたり、逆に厚すぎたりすると、クランプでしっかりと固定することができなくなります。また、ガラス製のような強度の低い素材のデスクでは、アームとモニターの重さに耐えきれず、天板が破損してしまう危険性も考えられます。

これを防ぐためには、購入前に必ず使用しているデスクの天板の厚さを測り、モニターアームの対応範囲内であるかを確認することが大切です。加えて、デスクの材質が十分な強度を持っているか、製品の取扱説明書などで確かめる必要があります。

モニターの耐荷重を超えてしまった

それぞれのモニターアームには、支えることができるモニターの重さの上限、つまり耐荷重が定められています。この耐荷重を超える重さのモニターを取り付けると、アームが重さに負けてしまい、時間とともにお辞儀するように下がってきてしまいます。

ひどい場合には、アームが破損し、高価なモニターが落下してしまうといった最悪の事態も起こりかねません。そのため、お使いのモニターの重量を正確に把握し、アームの耐荷重に余裕がある製品を選ぶことが求められます。

モニターの重量を調べる際は、製品の公式ウェブサイトや説明書を確認するのが確実です。注意点として、記載されている重量がスタンドを含んだものか、モニター単体（パネル部分のみ）のものかを確認し、アームに取り付ける部分の実際の重さで判断することが鍵となります。

VESA規格が違い取り付けられない

モニターアームとモニターを接続する部分には、VESA（ベサ）規格という国際的な標準規格が採用されています。これは、モニター背面のネジ穴の間隔を定めたもので、この規格がモニターとアームで一致していないと、物理的に取り付けることができません。

多くのモニターやアームは「75mm x 75mm」や「100mm x 100mm」といった一般的な規格に対応しています。しかし、一部のモニター、特にデザイン性の高い製品や古いモデルでは、VESA規格に対応していなかったり、特殊なサイズを採用していたりする場合があります。

購入してから取り付けられないという後悔をしないためにも、ご自身のモニターの背面にあるネジ穴の間隔を事前に測定するか、仕様書で確認しておきましょう。万が一、規格が対応していなくても、「VESA変換プレート」というアクセサリーを使えば取り付けが可能になることもあります。

主なVESA規格のサイズ

VESA規格 (MIS)	ネジ穴の間隔	主なモニターサイズ
MIS-D	75mm x 75mm	24インチ未満の小型モニター
MIS-D	100mm x 100mm	24インチ以上の多くのモニター
MIS-E	200mm x 100mm	30インチ以上の大型モニター
MIS-F	200mm x 200mm以上	さらに大型のモニターやテレビ

思ったよりアームの可動域が狭い

モニターアームを導入する大きなメリットの一つは、モニターの位置を自由自在に動かせる点です。しかし、製品によってアームの関節の数や長さが異なり、可動域には大きな差があります。

「モニターを縦向きにして使いたかったのに、回転できなかった」「もっと手前に引き寄せたかったが、アームの長さが足りなかった」といった後悔は、可動域の確認不足が原因で起こります。

このような失敗を避けるには、まず自分がどのようなモニター配置を実現したいのかを具体的にイメージすることが重要です。モニターを2枚並べるデュアル環境で使いたいのか、頻繁に位置を調整したいのかなど、用途を明確にすることで、必要なアームの長さや関節の自由度（チルト、パン、スイベル、回転など）が見えてきます。

配線がごちゃごちゃして見た目が悪い

モニターアームを使ってデスクの上をすっきりさせようとしたのに、モニターの電源ケーブルや映像ケーブルが丸見えで、かえって見栄えが悪くなってしまった、というのもよくある後悔の一つです。

ケーブル類がアームに沿わずに垂れ下がっていると、見た目が良くないだけでなく、アームを動かした際にケーブルが引っ張られて断線したり、端子を傷めたりする原因にもなり得ます。

多くのモニターアームには、ケーブルをアームの内部に通したり、アームに沿って固定したりするためのケーブルガイドやホルダーが付属しています。デスク周りの美観を重視するなら、こうしたケーブル管理機能が充実している製品を選ぶと満足度が高まります。デザインと機能性を両立させるために、ケーブルの処理方法まで考えて製品を選びましょう。

安価な製品を選び安定性がなかった

モニターアームは価格帯が広い製品ですが、あまりに安価なものを選ぶと、品質面で後悔することがあります。例えば、作りが堅牢でなく、少しの振動でモニターが揺れてしまったり、位置調整の動きがスムーズでなかったりするケースです。

特に、ガススプリング式のアームは、内部の圧力でモニターの重さを支える仕組みのため、品質が低いとガスが抜けてしまい、モニターの高さを維持できなくなることも考えられます。

もちろん高価な製品が必ずしも良いとは限りませんが、極端に安い製品にはそれなりの理由があることが多いのも事実です。長く安心して使うためには、価格だけで判断するのではなく、信頼できるメーカーの製品を選んだり、購入者のレビューをよく読んで安定性や操作性に関する評価を参考にしたりすることが賢明な判断と言えます。

「モニターアームで後悔」を回避する選び方

設置するデスクの強度と形状を確認

モニターアーム選びは、まず土台となるデスクの確認から始まります。前述の通り、クランプ式アームを取り付けるには、デスクの天板が一定の条件を満たしている必要があります。

確認すべきデスクのポイント

• 天板の厚さ: クランプが対応できる範囲内か（例：10mm～50mmなど）
• 天板の材質: ガラスや極端に柔らかい木材は避け、十分な強度があるか
• デスクのフチの形状: クランプを挟むスペースが十分にあるか（目安として奥行き10cm程度）
• 補強フレームの有無: デスクの裏側に補強フレームがあると、クランプが干渉して取り付けられない場合があります

これらの条件を満たせない場合は、デスクに穴を開けて固定する「グロメット式」という取り付け方法を検討するのも一つの手です。お使いのデスクがグロメット式に対応しているかも合わせて確認しましょう。

モニターの重量と規格を再確認する

前述の通り、モニターの重量とVESA規格の確認は、後悔を避けるための基本中の基本です。ここでは、さらに一歩進んだ確認のポイントをお伝えします。

それは、将来的なモニターの買い替えを視野に入れるかどうかです。もし、近い将来にもっと大きな、あるいは重いモニターに買い替える可能性があるなら、現在使っているモニターのスペックぎりぎりではなく、少し耐荷重に余裕のあるアームを選んでおくと、後々アームごと買い替える必要がなくなり、結果的に経済的です。

購入前に一度、ご自身のモニターの製品ページを開き、重量（スタンドを除く）とVESA規格の仕様を再確認する習慣をつけることで、基本的な失敗は確実に防げます。

理想の配置に必要な可動範囲を知る

モニターアームにどの程度の可動範囲を求めるかは、人によって大きく異なります。そのため、「自分にとって必要な動きは何か」を事前に明確化することが、製品選びの満足度を左右します。

例えば、以下のように自分の使い方を具体的に想像してみてください。

• 上下の動き（昇降）: 座ったり立ったり、姿勢を変えて作業することが多いか
• 前後の動き（奥行き）: 資料を読むときは手前に引き寄せ、普段は奥に配置したいか
• 左右の動き（スイベル）: 画面を他人に見せたり、デスクの左右で作業したりすることがあるか
• 角度調整（チルト）: 照明の反射を抑えるため、画面の上下の角度を変えたいか
• 回転（ピボット）: Webサイトや文書を一覧するため、モニターを縦向きで使いたいか

これらの動きをどれだけ重視するかによって、選ぶべきアームの関節数や種類（ガススプリング式かメカニカルスプリング式かなど）が決まってきます。

ケーブル管理機能の有無は重要

デスク周りをスタイリッシュに保ちたいと考えるなら、ケーブル管理機能は決して軽視できない要素です。ケーブルがアームに内蔵できるタイプや、きれいに沿わせることができるカバー付きのタイプを選ぶと、配線が目立たず、非常にすっきりとした印象になります。

見た目の美しさだけでなく、ケーブル管理は実用的なメリットももたらします。アームを動かす際にケーブルが絡まったり、どこかに引っかかったりするトラブルを防ぎ、安全な作業環境を維持することにも繋がります。

もしデザイン的に気に入ったアームに十分なケーブル管理機能がなくても、後からケーブルチューブや結束バンドを使って整理することも可能です。しかし、最初から機能が備わっている製品の方が、手間なくスマートな配線を実現できるでしょう。

信頼できるメーカーやレビューを参考

数多くのモニターアームの中から最適な一台を選ぶ上で、メーカーの信頼性や実際に製品を使った人の声は非常に価値のある情報源となります。

一般的に、長年の実績がある有名なメーカーの製品は、品質管理がしっかりしており、耐久性が高い傾向にあります。また、製品保証やカスタマーサポートが充実している場合が多く、万が一の不具合があった際にも安心して対応を任せられます。

さらに、オンラインショップなどで購入者のレビューを参考にすることも有効です。その際は、総合評価の高さだけでなく、低い評価のレビュー内容にも目を通し、どのような点に不満を感じているかを確認しましょう。自分と同じような環境（デスクやモニター）で使っている人のレビューは、特に参考になります。

賢い選び方でモニターアームの後悔を防ごう