電動昇降デスクのデメリットと後悔しない選び方

電動昇降デスクは、座り作業と立ち作業を切り替えられるため、健康意識の高い方や在宅ワーカーから注目を集めています。しかし、導入してから「こんなはずではなかった」と後悔するケースも少なくありません。購入を検討する際は、メリットだけでなく、電動昇降デスクのデメリットについてもしっかりと把握しておくことが大切です。この記事では、電動昇降デスクのデメリットと検索している方が知りたい、価格、組み立て、故障リスク、安定性、配線、重量といった具体的な懸念点から、見落としがちな注意点まで、専門的な視点から詳しく解説します。

「電動昇降デスク デメリット」の全体像

初期費用（価格が高い）という課題

電動昇降デスクの導入を考えたとき、多くの方が最初に直面するのが価格の問題です。一般的な固定式のデスクと比較すると、電動昇降デスクは高価になる傾向があります。

この価格差の主な理由は、デスクを昇降させるためのモーターや、高さを記憶させるコントロールパネル、安定した動作を支える堅牢なフレームといった複雑な部品が必要となるためです。安価なモデルも存在しますが、使用されているモーターの品質や耐久性、昇降時の安定性、機能（例：メモリ機能、衝突検知機能）などで差が出ることがあります。

予算を抑えたい場合でも、単に価格だけで選ぶのではなく、必要な機能や保証内容、そして耐荷重などを総合的に比較検討することが、長期的に見て満足のいく選択につながります。例えば、数千円の価格差が、数年後の安定性や静音性の差として現れる可能性も考慮に入れるべきです。

組み立て作業の難易度と時間

電動昇降デスクは、多くの場合、購入者が自分で組み立てる必要があります。この組み立て作業が、一般的な家具の組み立てよりも難易度が高いと感じる方が少なくありません。

特に、天板やスチール製の脚（フレーム）はかなりの重量があるため、一人での作業が困難な場合があります。また、モーター部分の取り付けや配線の接続など、電動ならではの工程も含まれます。取扱説明書をよく読み、手順通りに進める必要がありますが、作業に不慣れな方の場合、1時間から2時間以上かかることも珍しくありません。

組み立ての負担を軽減するためには、二人以上で作業する時間を確保するか、有料の組み立て設置サービスを利用することを検討するのが賢明です。購入前に、製品の総重量や組み立て工程のレビューを確認しておくと良いでしょう。

モーター故障のリスクと保証内容

電動昇降デスクは電化製品の一種であり、モーターで駆動する以上、故障のリスクはゼロではありません。「昇降ボタンを押しても動かない」「途中で止まってしまう」「異音がする」といったトラブルが考えられます。

このため、購入時には保証内容の確認が非常に大切です。メーカーや製品によって保証期間は異なり、例えば1年、3年、5年など様々です。また、保証の対象範囲にも注意が必要です。「モーター部分のみ5年保証、その他は1年」といったように、部品によって期間が異なるケースもあります。

万が一の故障時に、修理や部品交換にどれくらいの費用や手間がかかるのかを想定し、信頼できるメーカーの製品や、保証期間が長い製品を選ぶことが安心につながります。

昇降時の安定性（揺れ）の確認

電動昇降デスクのデメリットとして、特にデスクを高い位置（スタンディング時）に設定した際の「揺れ」を挙げる声があります。

この揺れは、主に脚の構造（二本脚か四本脚か、支柱の太さ）や、床の水平さ、デスクの重心の高さによって発生します。タイピング中やマウス操作中にデスクが揺れると、作業に集中できなかったり、モニターが揺れて不快に感じたりすることがあります。

安価なモデルや、構造が華奢な製品は、揺れが出やすい傾向にあるため注意が必要です。可能であれば、購入前にショールームなどで実機に触れ、最大高まで上げた状態での安定性を確認することをおすすめします。それが難しい場合は、製品レビューや口コミで、安定性に関する評価を重点的にチェックすると良いでしょう。

複雑になりがちな配線整理

電動昇降デスクを導入すると、配線の整理が予想以上に大変になることがあります。デスク本体のモーターを動かすための電源ケーブルがまず1本必要です。

さらに、デスク上に設置するパソコン、モニター、デスクライト、スマートフォンの充電器など、多くの機器のケーブルが存在します。デスクが昇降することを考慮せずに配線すると、デスクを上げた際にケーブルが突っ張ってしまったり、下げた際にケーブルが床で絡まったりする危険性があります。

これを防ぐためには、ケーブルの長さに十分な余裕を持たせるとともに、ケーブルトレーやケーブルダクト、結束バンドなどを活用して、昇降動作に合わせてケーブル類もスムーズに動くようにまとめる工夫が求められます。

昇降音の大きさと使用環境

電動昇降デスクは、高さを変える際にモーターの駆動音が発生します。この昇降音が、使用する環境によっては気になる場合があります。

多くの製品の動作音は50dB（デシベル）前後とされており、これは「静かな事務所」や「家庭用エアコンの室外機」程度の音に例えられます。日中のリビングや一般的なオフィスであれば問題にならないことが多いですが、非常に静かな書斎や、家族が寝ている夜間、あるいはWeb会議中に頻繁に昇降させる場合には、音が気になるかもしれません。

製品によっては静音設計をうたっているモデルもあります。音に敏感な方や、使用環境が静かな場所である場合は、製品仕様のdB値を確認したり、レビュー動画などで実際の動作音を確認したりすることをおすすめします。

見落としがちな電動昇降デスク デメリット

本体重量と移動の困難さ

電動昇降デスクのデメリットとして見落とされがちなのが、製品本体の「重さ」です。安定性を確保するために堅牢なスチール製フレームを使用し、さらにモーターユニットも搭載しているため、総重量は50kgを超える製品も珍しくありません。

この重さにより、一度設置した後の移動や模様替えが非常に困難になります。特に、引っ越しを控えている方や、頻繁にレイアウトを変更したい方は注意が必要です。また、賃貸住宅などで床の耐荷重や傷つきやすさが気になる場合、デスクの脚の下に保護マットを敷くなどの対策も考慮に入れる必要があります。

組み立て時だけでなく、設置後のことも見据えて、その重量を許容できるかを判断することが求められます。

天板サイズ選びの注意点

天板のサイズ選びは、作業スペースの確保という点だけでなく、昇降時の安全性や圧迫感にも関わってきます。

設置する部屋のスペースだけを考えて天板サイズを決めると、実際にデスクを昇降させた際に、周囲の棚や壁、窓のカーテンレールなどに干渉してしまう可能性があります。昇降動作をスムーズに行うためには、デスクの上下の空間にも余裕が必要です。

また、モニターアームを取り付けたい場合は、天板の厚みや材質、縁の形状がアームのクランプに対応しているかを確認しなくてはなりません。小さすぎる天板は作業効率を下げますが、大きすぎる天板は部屋に圧迫感を与え、昇降時のリスクも高まるため、使用目的と設置環境のバランスを考慮したサイズ選びが大切です。

デザインや色の選択肢が少ない？

電動昇降デスクは機能性が重視される製品であるため、一昔前はデザインや色の選択肢が限られているという側面がありました。多くは、オフィス向けの白、黒、木目調といったシンプルなデザインが主流でした。

現在では、インテリアに調和するようなデザイン性の高いモデルや、天板の材質（例：竹製、無垢材風）や脚の色のバリエーションが増えてきています。しかし、一般的な固定式のデスクや、デザイン性を追求した家具ブランドのデスクと比較すると、まだ選択肢が豊富とは言えない場合もあります。

特に、部屋のインテリアと完全に統一感を合わせたい場合、好みのデザインや色、質感の製品を見つけるのに時間がかかるかもしれません。機能性だけでなくデザインも妥協したくない方は、選択肢が比較的多い専門メーカーの製品を中心に探すことをおすすめします。

消費電力と電気代への影響

電動昇降デスクは電源を必要とするため、消費電力や電気代を心配される方もいるかもしれません。

実際のところ、電動昇降デスクが消費する電力は、それほど大きくない場合がほとんどです。多くの製品では、操作していない間の待機電力は1W以下（0.1W～0.5W程度）に抑えられています。また、昇降時に使用する電力（100W～300W程度）も、動作時間が1日数回、それぞれ数十秒程度であることを考慮すると、電気代全体への影響は限定的です。

各種のレビューや情報によれば、1ヶ月あたりの電気代は数十円程度、多くても100円未満という試算が一般的です。もちろん、製品の仕様や使用頻度によって異なりますが、電気代が導入をためらうほどの大きなデメリットになる可能性は低いと考えられます。

電動昇降デスク デメリット対策の総括