賃貸物件にお住まいで、「ドラム式洗濯機を導入したいけれど、設置できるか不安」と感じていませんか。ドラム式洗濯機は便利で魅力的ですが、賃貸ならではの制約から設置に失敗し、後悔するケースも少なくありません。しかし、事前に確認すべきポイントをしっかり押さえておけば、諦める必要はないのです。この記事では、賃貸物件でドラム式洗濯機の導入を検討しているあなたが、安心して最適な一台を選べるよう、設置前のチェックリストから選び方のポイントまで、網羅的に解説します。
- ドラム式洗濯機を賃貸に設置するための必須確認事項
- 限られたスペースに適したドラム式洗濯機の選び方
- 設置後のトラブルや退去時の注意点を回避する方法
- あなたのライフスタイルに合った便利な機能の見つけ方
ドラム式洗濯機、賃貸で使うためのチェックリスト
- 防水パンのサイズと形状は必ず確認
- 設置スペースと本体サイズの測り方
- 見落としがちな搬入経路のチェック
- 蛇口の高さと形状が合っているか
- 排水溝の位置が設置の決め手になる
防水パンのサイズと形状は必ず確認
ドラム式洗濯機を賃貸物件に設置する際、最初の関門となるのが防水パンです。まずは、現在設置されている防水パンの内寸(幅・奥行き)をメジャーで正確に測定してください。多くのドラム式洗濯機は、縦型洗濯機よりも本体の奥行きが大きいため、防水パンに収まらないことがあります。
防水パンのサイズが足りない場合の対策
もし、購入したい洗濯機の脚が防水パンの内側に収まらない場合でも、解決策はあります。一つは「かさ上げ台」を設置する方法です。これにより、洗濯機の高さを上げて排水スペースを確保しつつ、脚の位置を調整できる場合があります。もう一つは、防水パンそのものを交換することですが、これは大家さんや管理会社の許可が必須となるため、必ず事前に相談しましょう。
また、防水パンには様々な形状があり、四隅が高くなっているタイプやフラットなタイプなどがあります。脚がしっかりと安定して置けるか、形状も合わせて確認することが大切です。
設置スペースと本体サイズの測り方
防水パンの次に確認すべきは、洗濯機を置くスペース全体の広さです。洗濯機本体の幅と奥行きだけでなく、高さも忘れずに測定しましょう。特に、上に棚がある場合や窓がある場合は、洗濯機の高さが干渉しないか注意が必要です。
ドラム式洗濯機は前面に扉が開くため、扉を全開にした状態でも人が通れるか、または洗濯物の出し入れがスムーズに行えるか、扉の開閉スペースを考慮に入れる必要があります。購入したいモデルの製品サイトなどで、扉を開けた際の最大奥行きを確認し、設置スペースに十分な余裕があるかシミュレーションしてみましょう。左右や背面にも、放熱やメンテナンスのために少し隙間を空けることが推奨されています。
見落としがちな搬入経路のチェック
製品が設置スペースに収まるとしても、そこまで運べなければ意味がありません。見落としがされがちですが、搬入経路の確認は極めて重要なポイントです。玄関ドアの幅と高さから始まり、廊下の幅、室内のドア、階段、エレベーターなど、洗濯機が通過する全ての場所の寸法を測定してください。
特に、廊下の曲がり角や階段の踊り場は、洗濯機を回転させる必要があるため、単純な幅だけでなく、高さや奥行きも考慮した立体的なスペースの確認が求められます。メジャーを持って、実際に洗濯機を運ぶ様子をイメージしながら各所を測ることで、搬入不可という最悪の事態を避けられます。不安な場合は、家電量販店の提供する下見サービスを利用するのも一つの手です。
蛇口の高さと形状が合っているか
設置スペースの壁についている蛇口の位置も、設置の可否を左右する要素です。購入予定のドラム式洗濯機の高さを確認し、本体が蛇口にぶつからないかを確認します。もし蛇口の位置が低い場合、洗濯機本体と干渉してしまい、設置ができません。
このようなケースでは、壁から蛇口までの高さを変える「水栓かさ上げアダプター」といった部品を取り付けることで解決できる場合があります。ただし、部品の取り付けには専門的な知識が必要な場合もあるため、管理会社や専門業者への相談が賢明です。
また、蛇口の形状も大切です。給水ホースをワンタッチで接続できる専用の蛇口であれば問題ありませんが、昔ながらのひねるタイプの蛇口の場合、別途接続用のニップルという部品が必要になることがあります。
排水溝の位置が設置の決め手になる
最後に、排水溝の位置を確認しましょう。排水溝が洗濯機の真下にあるのか、それとも横や後ろにあるのかによって、必要な部品や設置の難易度が変わります。
真下排水の場合
排水溝が本体の真下に来る「真下排水」の場合、排水ホースを接続するためのスペースが必要です。多くのドラム式洗濯機は、そのままでは真下に排水ホースを接続できないため、「真下排水キット」や「真下排水パイプ」といった別売りの部品が必要になります。また、洗濯機本体をかさ上げして、排水ホースの通り道を確保する必要も出てきます。
横・後方排水の場合
排水溝が洗濯機の横や後ろにある場合は、比較的スムーズに設置が可能です。ただし、排水ホースが折れ曲がったり、本体の下敷きになったりしないよう、取り回しには注意が必要です。ホースが適切に勾配を保てないと、排水がスムーズに行われず、水漏れやエラーの原因となるため、十分なスペースを確保してください。
ドラム式洗濯機を賃貸で選ぶ!後悔しないポイント
- 賃貸向きコンパクトモデルのメリット
- 暮らしに合わせた乾燥機能の選び方
- 騒音や振動などの注意点をチェック
- 退去時も安心な設置方法とは?
- 賃貸で便利な機能が付いたモデルも
賃貸向きコンパクトモデルのメリット
賃貸物件の限られたスペースには、コンパクト設計のドラム式洗濯機が適しています。これらのモデルは、一般的なサイズのものに比べて本体の奥行きや幅がスリムに作られており、設置のハードルを大きく下げてくれます。防水パンが小さい場合や、脱衣所が狭い場合でも、設置できる可能性が高まります。
一方で、本体がコンパクトになる分、洗濯容量や乾燥容量は小さくなる傾向があります。一人暮らしや二人暮らしであれば十分な場合が多いですが、家族の人数や洗濯の頻度を考慮し、ご自身のライフスタイルに合った容量を選ぶことが大切です。価格が比較的抑えめであることも、コンパクトモデルの魅力の一つと言えるでしょう。
暮らしに合わせた乾燥機能の選び方
ドラム式洗濯機の大きな魅力である乾燥機能ですが、主に「ヒーター乾燥」と「ヒートポンプ乾燥」の2つの方式があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の暮らしに合ったものを選びましょう。
| 乾燥方式 | メリット | デメリット |
| ヒートポンプ乾燥 | ・電気代が安い ・低温で乾かすため衣類が傷みにくい ・ふんわり仕上がる | ・本体価格が高い傾向にある ・本体サイズが大きめになる |
| ヒーター乾燥 | ・本体価格が比較的安い ・高温で乾かすため除菌効果が期待できる | ・電気代が高くなる傾向がある ・高温のため衣類が傷んだり縮んだりしやすい |
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例えば、洗濯から乾燥まで頻繁に使う予定であれば、長期的に見て電気代を抑えられるヒートポンプ式がおすすめです。一方、乾燥機能はたまにしか使わない、あるいは初期費用を抑えたいという場合は、ヒーター式も十分な選択肢となります。
騒音や振動などの注意点をチェック
集合住宅である賃貸物件では、騒音や振動への配慮が不可欠です。ドラム式洗濯機は、構造上、縦型洗濯機よりも脱水時の振動が大きくなりやすい特性があります。特に夜間に洗濯機を回すことが多い方は、運転音の大きさを表すデシベル(dB)の数値を確認し、できるだけ静音性の高いモデルを選ぶことをお勧めします。
騒音対策のポイント
運転音が静かな「インバーター搭載モデル」は、モーターの回転を細かく制御することで、振動と騒音を抑える効果が期待できます。また、設置時に洗濯機が水平に保たれていないと、余計な振動や騒音の原因になります。設置の際は、水準器などを使って正確に水平を保つことが大切です。さらに、床に直接置くのではなく、防振ゴムや専用の置き台を使用することで、階下へ伝わる振動を効果的に軽減できます。
退去時も安心な設置方法とは?
賃貸物件では、退去時の原状回復義務を忘れてはなりません。洗濯機のような重量のある家電を長期間設置すると、床に跡が残ったり、へこみができたりすることがあります。これを防ぐためには、設置前に床を保護することが有効です。
洗濯機用のマットや保護パネルを敷くことで、床への直接的なダメージを防げます。また、前述の通り、かさ上げ台を使用することも床の保護に繋がります。かさ上げ台は、洗濯機と床の間に空間を作るため、湿気がこもりにくくなり、カビの発生を防ぐ効果も期待できます。これにより、退去時の思わぬトラブルや修繕費用の請求を避けることにつながります。
賃貸で便利な機能が付いたモデルも
最近のドラム式洗濯機には、日々の洗濯をさらに快適にする便利な機能が搭載されています。例えば、「洗剤・柔軟剤自動投入機能」は、タンクに液体洗剤や柔軟剤をまとめて入れておけば、洗濯のたびに自動で適量を計って投入してくれる機能です。これにより、計量の手間が省け、洗剤の置き場所にも困らなくなります。
他にも、スマートフォンと連携して外出先から洗濯の予約ができる機能や、温水を使って黄ばみやニオイの原因菌を洗い流す機能など、ライフスタイルを豊かにしてくれるものが多くあります。もちろん、機能が増えれば価格も上がる傾向にありますが、ご自身の生活の中で「これがあれば助かる」という機能に注目してモデルを選ぶのも良い方法です。
快適なドラム式洗濯機ライフを賃貸で
- 賃貸でのドラム式洗濯機設置は事前の確認が全て
- 最初に防水パンの内寸(幅・奥行き)を正確に測定する
- 本体サイズだけでなく扉の開閉スペースも考慮する
- 玄関から設置場所までの搬入経路全体の採寸を忘れない
- 曲がり角や階段は特に注意深く確認する
- 洗濯機本体と蛇口が干渉しない高さを確保する
- 蛇口の形状を確認し必要なら部品を用意する
- 排水溝が真下にある場合は別売り部品が必要なことが多い
- スペースが限られる賃貸にはコンパクトモデルがおすすめ
- 電気代と仕上がりを考えて乾燥方式(ヒートポンプ式・ヒーター式)を選ぶ
- 集合住宅では静音性や低振動設計のモデルを検討する
- 防振ゴムやかさ上げ台で騒音・振動対策を行う
- 床の保護マットやパネルで退去時の原状回復に備える
- 洗剤自動投入などの便利機能も暮らしに合わせて検討する
- 全てのチェック項目をクリアして快適な洗濯ライフを実現する